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【本から学ぶYOGAシリーズ】VO.2

「ヨギーの食事の心得」と「現代女性が抱える貧血」


今回はハタ・ヨーガの5大テキストのひとつ「ハタ・プラディーピカー」と、「貧血大国・日本」という2つの書籍を参考にした内容をご紹介します。不思議な組み合わせに感じるかもしれませんね。ですが、私たち人間の3大欲求である「食欲」と向き合うことは、生きる上で避けては通れないと、インドの先人たちはいち早く察知し、今世にまで伝えてくれたのではないでしょうか?



日本は「貧血大国」という事実、ご存知ですか?


貧血は主に体に必要な鉄が欠乏することによって起こる症状です。

「貧血ってあの立ちくらみした時の感じでしょ?時々あるある〜!」

な〜んて軽く考えていると、気づいた時には体調を崩し、「こんなはずじゃなかった・・・」なんてことになりかねません。

健康な日本人女性1万3000人以上を対象とする調査によると(2006年)、50歳未満の22.3%が貧血でした。約5人に1人が貧血というデータです。

日本の妊婦は30~40%が貧血で、先進国の平均18%という数字から見て、いかに日本人女性が貧血になっているかが伺えます。


2016年 山本佳奈著


あなたは貧血?チェックしてみよう。


貧血はよほどの重症にならない限り、病院で診断されることがないのが現状だそうです。日常に潜む貧血症状を大まかにご紹介します。




□立ちくらみ

□疲れやすい

□イライラする

□熟睡できない

□気分の落ち込み

□むくみ

□爪が割れやすい、スプーン爪

□毛が抜けやすい

□便秘、下痢

□まぶたの裏が白い






この項目は貧血だけが原因ではありませんが、当てはまる方は「貧血かもしれない」と

ご自身を振り返る目安にしてみてくださいね。


ヨガ愛好家は「貧血さん」が多いかも!?


もしもあなたが貧血だった場合は、一見、体に良さそうな食事スタイルにもリスクがあることを知っておくと良いでしょう。


●ベジタリアン、ヴィーガン

●ファスティング、糖質制限


などの食事スタイルを健康のため、または環境保護の意識から行う方も多いですよね。インストラクターさんは、お仕事の都合で「時間がなくてお昼を食べられなかった!」なんて事になっている方も多いのでは!?良いプラーナが身体中に巡っていているから平気!と放置していませんか?(私はこれらの食事スタイルをひと通り体験しました)

特に有経女性がこのような食事スタイルを長く続けると、貧血体質を招くだけでなく、いろいろな不調につながってしまう可能性があります。


ベジタリアン、ヴィーガン食を選択することは、もちろん個人の自由!!ただし動物性タンパク質からしか得られない重要な栄養素を取り込めない事も知っておきたいですね。「鉄」に関しては、野菜、果物、ナッツなどを意識的に食事に取り入れましょう。それでも貧血を防ぐための「ビタミンB12」が不足するため、サプリメントを上手に活用すると良いです。ファスティングについては、女性と男性の違い、体質など、かなり個人差があるため、プロの指導のもと安全な環境を整えてから行うようにしてくださいね。


「ハタ・プラディーピカー」から学ぶ、食事をとるときの心得。

最後に、ハタ・プラディーピカー(Iー58)に記されている「ミタハーラ」についてご紹介します。



1350-1550

スヴァトマラーマ著(編纂)


「ハタ・ヨーガ・プラディーピカー」とも言う。


ハタ・ヨーガとは、

肉体とプラーナ(生命エネルギー、または気)を整えるため開発された、様々な浄化法、身体技法、呼吸法を行い、自然と心も整えることを目指すヨガ。


プラディーピカーとは灯火のこと。

「ハタ・ヨーガを照らす灯火」という意味。






「バターと甘味を持って味付けされた食物を摂り、胃の1/4を空けておくこと。ただ、生命への愛だけから食事すること。これがミタハーラ(節食)である。」


「ミタ(Mita)」は制限された分量、「アハーラ(Ahara)」は食事(ダイエット)の意味。「ほどほどな食事」を意味する。ここで重要とされる3つのポイントは


①数量 

胃の1/2は固形物、1/4水分、残りの1/4を空けておき、プラーナの回遊で満たす必要がある。

②質

消化の良い食品、甘く滑らかな油脂の食品、健康と栄養のある食品など。

③態度

食べる時は神に捧げる気持ちで。満足のために消費する。心穏やかに食べること。


実際に胃の1/4というのがどの程度なのか・・・など疑問もあると思いますが、そこは皆様の裁量に委ねたいと思います。


大事なことは先に述べた必要な栄養素を摂る事と同じくらい、

落ち着いた気持ちで、感謝して「食」に向き合うこと。

食事の栄養を消化・吸収する働きは、心が落ち着いている状態、つまり副交感神経優位の休息モードである事が前提です。このことからもミタハーラの考えは理にかなっています。先人の知恵はすばらしいですね。



今回は現代女性の貧血と、ヨーガの食の知恵について取り上げました。ヨガをされている方は、普段からご自身と向き合う事が習慣になっていると思います。これを機に、新たな視点で「食」を通して、さらに深くご自身と繋がってみませんか?あなたにとって最適な食事習慣を作るひとつのきっかけにお役立ていただけたら幸いです。


 

諸星美穂(Moromi)


脱毛症、不妊治療の経験から、健康の重要性を痛感しヨガインストラクターの道へ。

全ての女性がお気楽にイキイキ生きる世の中を目指して…!ヨガ、ピラティス、分子栄養学を

お伝えする「KIRAKUDOU」を主宰。

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